京亭の鮎ご飯/寄居

目黒さんという友人がいます。食べ歩きを一緒にしている大手電機メーカーにお勤めのおじさん。年に3回鰹を食べに行く勝浦の朝市で、必ず高級鮑の煮貝を買います。

山があっても山梨(山なし)県。海がなくても甲斐(貝)の国。
と言われる山梨の名産品です。海の幸豊富な勝浦で鮑の煮貝を買うのは、やはり勝浦の鮑が美味しいからなんでしょう。
その目黒さんのお誕生日に、この写真を差し上げました。
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〝目黒のサンマ〟という落語に掛けた洒落です。
そしたら目黒さんから返事が・・・。
ボク、〝鮎〟が好きです。
そんな自称・鮎好きの目黒さんを誘って、グルメ指南のモグたんの企画で寄居にある割烹旅館〝京亭〟に出掛けました。
そこで目撃した恐ろしい光景。
目黒さんの鮎好きは、尋常でありません。その正体は恐怖の〝鮎喰いオトコ〟。
東武東上線の終点〝寄居〟駅から徒歩10分。
荒川の中流域であり、長瀞の下流域。〝歴史と名水の街〟です。
その荒川の鮎漁解禁が6月1日。待ちに待った解禁後最初の土曜日。2年越し待望の〝京亭〟訪問です。
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古いけど威厳に満ちた建物。ワクワク・ドキドキ。緊張が高まって来ます。
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玄関の前に池があり、その池の畔に水槽が置いてありました。覗き込むと鮎が元気よく泳いでいます。
申し訳ないけど、キミたち、もうすぐ食べられちゃうんだね。
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そうだったのですね。今は〝京亭〟と書きますが、元々は〝虚羽亭〟でした。
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 〝京亭〟は、浅草オペラの始祖といわれる〝佐々 紅華(さっさ こうか)〟の元別荘。紅華は、蔵前の東京工業高等学校(現:東京工業大学)を卒業すると日本コロンビアでデザインの仕事に就き、大活躍。その後、作詞・作曲の世界に入り日本ビクターに入社。後にフランク永井の名曲として大ヒットした〝君恋し〟を作曲します。
下の写真は、京亭に集まった〝ビクターの四傑〟。
右から中山晋平、野口雨情、時雨音羽、そして佐々紅華。
寄居に紅華が別荘を建てるきっかけになったのは、紅華が学生時代から夢中になった7代目松本幸四郎の別荘が寄居にあったからです。
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1日の4組しか取らない店。我々6人の為にご用意頂いたのは、唯一の椅子席。窓の向こうには、荒川を見下ろす高台になっていて竹林が拡がっています。京亭の日本庭園は素晴らしく1,000坪もあります。
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先ずは、冷たく冷えた〝生ビール〟。
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突き出しは、〝潤香(うるか)〟。鮎の塩辛です。鮎は〝西瓜(すいか)〟の良い香りがするので〝香魚(こうぎょ)〟と呼ばれます。西瓜の香り立つ潤香です。
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最初の鮎は、〝甘露煮〟。とても柔らかく頭からがぶりと行っちゃいました。
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初夏の到来。〝ジュンサイのポン酢和え〟。
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〝骨せんべい〟。
小さな体型の鮎は、一匹で一枚の骨せんべい。籠の中には、六匹分が入ってます。
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〝干物の炙り〟。
今日、これが食べられたのは幸運。昨日午後から天気が回復。一夜干しが間に合いました。
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 地元の銘酒・〝白扇〟を醸す〝藤﨑摠兵衛商店〟の純米酒。淡麗辛口で鮎料理にぴったりです。
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ご機嫌3点盛り。稚鮎の木の芽味噌のせ、カレー風味の鴨ロース、空豆。
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これも初めての体験。鯉のあらいならぬ〝鮎のあらい〟。骨せんべいになった一匹でしょう。
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おっ~
一同声を上げました。太鼓のような竹の籠に乗った12匹の〝鮎の塩焼き〟。
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まるで笹の葉川を泳いでいるようです。
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モグたんのご主人・イチローさんの誕生日。サプライズのお祝いは、華麗麺麭が大好きな新潟〝高千代酒造〟が蔵開き用に醸した特別醸造酒。おりがらみです。新潟の友人・刈ちゃんに送って頂いたもの。
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 さきほどの塩焼きは、え~と、ひとり2匹ね。〝蓼酢(たでず)〟に浸けて食べます。
鮎の塩焼きには〝蓼酢〟。定番の組み合わせ。蓼の葉の強い香りと独特の辛みが塩焼きとベストマッチ。
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箸休めに〝れんこん餅〟。料亭のお菓子として出て来る〝れんこん餅〟。これは、甘いお菓子ではなくお料理。蓮根の風味と食感が残るお団子です。
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〝鮎フライ〟。
鮎がフライになってしまいました。何と贅沢な。
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焼かれた石の上に乗っているのは、〝蟹入り白身魚の真薯〟。白身魚の魚肉と蟹肉を鶏卵と山芋で練って蒸し上げたもの。上品な美味しさです。
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上品な料理は、今度は、大吟醸。
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そして、佐々紅華さんの3代目女将が目の前で仕上げてくださる〝鮎めし〟。
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女将さんは、お話をされながら手早く鮎めしを作ります。皆に気づかないように大きな骨や頭を素早く取り除いてます。見事で美しい所作。流石です。
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お茶碗に装って頂き、残った分はパックに入れて持たせてくださいました。
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〝なめこ汁〟も旨い。
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デザートは、これでした。
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さて問題です。至福の京亭。ひとり何匹の鮎を食べたでしょうか
答えは、〝8匹〟。
甘露煮、干物、あらいと骨せんべい、稚鮎、塩焼2匹、フライ、鮎めしでした。
 都心から70キロ。ちょっとした小旅行で行った〝寄居町〟。
竹林の向こうから痺れる低音の歌が流れて来ます。
宵やみせまれば 悩みは果(はて)なし
乱るる心に うつるは誰が影
君恋し くちびるあせねど
涙はあふれて 今宵も更けゆく
でも、まだ陽は高い。じゃあ皆、かき氷でも食べに行こ
えっ、ひとり居ないぞ 目黒さんが帰りたくないって・・・。今夜ここに泊まって、夕食、朝食をここで食べるって・・・。
鮎喰いオトコの目黒さん、誘ってくれたお礼に、皆に甘露煮のお土産をくださいました。目黒さんステキです。

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