最近、居酒屋等に行くと必ず〆のメニューに丼ものがあるかを最初にチェックして料理の構成を考えるようになりました。(笑)
焼鳥屋の〆は、親子丼、TKG(玉子かけごはん)、そぼろ丼が多いです。東京の焼鳥屋の中でもトップクラスのに西早稲の〝はちまん〟も〆にそぼろ丼があります。
焼鳥・はちまんは、〝一陽来復〟のお守りで有名な穴八幡神社のすぐそばにあります。
明治元年創業〝八幡鮨〟ビルの地階にあります。
※〝一陽来復〟とは、1年で一番日の短い冬至から段々日が長くなる翌年の節分までにお参りすると貰えるお守り。商売繁盛、金運上昇に効果覿面。
八幡鮨はやきとりはちまんの安井章人店主のお父さんとお兄さんが経営しています。
店内に飾っている明治元年の創業時代のはちまんの絵。大鳥居の横にあった〝だんご屋はちまん〟が前身です。初代と2代目がだんごを焼き、3代目~4代目が寿司を握り。5代目の安井さんがが焼鳥を焼いています。
これが5代目の焼くこだわりの〝だんご〟です。
ナンコツ入りつくねを〝だんご〟と名付けて焼いているのは初代、2代目に対する尊敬なのでしょう。
焼鳥の美味しさは第一に〝焼きのワザ〟。一般的に紀州備長炭がいいとされていますが、その中でも特に良いモノを取り寄せています。そして炭が発する高熱の遠赤外線を巧みに操ります。殆どの時間を店主が自ら焼き台に立っています。新橋の名店鶏繁で修業。平成7年にはちまんをオープンさせてから23年焼き続けています。
そして素材の良さ。全国に優れた地鶏は多くあります。美味しいと定評の大山鶏も使いますが、都内でも使える店が極めて少ない滋賀県〝淡海(たんかい)地鶏〟。この地鶏の美味しさを知ってしまうことは焼き鳥好きには不幸なこと。(笑)
はちまんの魅力は日本酒。厳選された銘酒、限定酒を欠かしません。思わぬ感動の酒に出会うこともしばしば。冷酒でも燗酒でも希望通りに出してくれます。
季節メニューも凄い。〝金時草のお浸し〟。紫蘇のだし汁です。
もう筍。九州産の〝たけんこの串焼き〟。
至高の焼鳥。
そうして、ようやく待望の〆。
〝そぼろごはん(小)〟。
鶏のジュースとタレの旨味がごはんまで沁み通っています。
そぼろこばんと言うと、忘れられない思い出があります。
一歳違いの家内と結婚したのは、ワタシが新入社員で家内が大学4年生。単位習得に目途が立ち、卒業前の秋に神戸で同棲しました。ある日、残業で遅く帰ると、家内が食卓に着いて泣いています。新入社員で給料が少ないので安い食材しか買えません。一番安かった鶏の挽き肉を買ってきましたがどうやって調理したらいいのか分からない。デリッシュ・キッチンやクラシルなどのレシピ動画がない時代。お腹は空くのにご飯が食べられないと悲しくなったそうです。
冷蔵庫を開けると玉子と絹サヤがありました。ワタシは鶏挽き肉をそぼろにして炒り卵と絹サヤの炒めモノで三色丼にしました。あの頃の純真な彼女。今・・・。