中むらの筍ご飯/勝浦

和食は、季節の移ろいを楽しむもの。
〝走り〟、〝旬〟、そして〝名残り〟。
江戸っ子は、〝走り〟という〝初物〟が大好き。
初カツオはいつ食べられていたのでしょうか
幕府の命令によってカツオの初市は、4月8日の〝花の日〟と決められていました。つまり〝お釈迦さまの誕生日〟。旧暦の4月8日は、今年は5月14日。まさに、
目に青葉 山ホトトギス 初ガツオ
の初夏です。

江戸時代の人気は凄まじく、千葉県館山で獲れたカツオは、七丁櫓(櫓を7本を備えた)高速の早舟で江戸に運ばれ異常な高値で売買されました。最も高く売れた記録は、日本橋石町の富豪が付けたカツオは1本2両3分の落札額。現在の価値で20数万円でしょうか。すしざんまいの木村社長が築地市場最後のマグロの今年の初セリで付けた1本1400万円に比べりゃ可愛いモンですけど・・・。
さて、女房を質に入れても食べたいと江戸っ子は思ったそうですが、決して女性蔑視ではありません。女性の数が極端に少ない江戸の街。女性の価値は高価。何しろ江戸中期で男:女=1.8:1.0。そんな女房殿を質に入れるとは大変なこと。だから、こんな句もありますよ。
はつかつお女房は質を請けたがり
お前さんは、かつおを食べたいと言うけどね、冗談じゃないよ。そんな金あったら着物を質から請け出して欲しいよ。
やはり女性は強かったんですね。
そんな高価な走りを食べにカツオのメッカ、千葉県・勝浦まで行きました。しかも4月2日。江戸っ子が聞いたらびっくり。全速で走っちゃいました。
割烹中むらの若旦那が振舞う〝離れ〟。
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出て来たのは、〝初鰹と名残りメジ鮪〟。左が鰹で右がメジです。
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〝名残りメジ鮪〟
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〝初鰹〟
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若旦那は、鰹を捌いて、和辛子を仕込みます。
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あっという間に、〝初鰹棒ずし〟。
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そして勝浦のすぐ近くに〝大多喜〟。
大多喜の筍も今が走り。
大多喜の筍は灰汁が少なく、えぐみがありません。
椀替りの〝若筍煮・木の芽〟。土佐煮の筍とワカメのペアリングは最高です。
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何と言っても〝筍ご飯〟。
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翌日の中むら本店。
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親方が、真剣に初鰹を捌いています。
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〝焼き筍〟
バターでソテー。
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〝筍とそら豆〟
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勝浦と言えば〝金目鯛〟。
親方の作る金目鯛の煮付けは最高。
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若旦那が捌いた2.3キロの見事な金目鯛。
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若旦那が目の前でしゃぶしゃぶに・・・。
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分厚くて大きな〝釣りきんめ鯛しゃぶしゃぶ〟。
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酒は、17本口開け。新潟のお友だちから頂いた久保田の三十周年記念酒も持ち込みさせて頂きました。左は、同じく〝洗心〟。偶然に同じ朝日酒造の利き酒となりました。グループ最年長のワタシだけが17種を完全制覇。しかも気に入ったのはお代わりして・・・。結構やるでしょ、このじじい。(笑)
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中むらの鮑ご飯/勝浦

勝浦の〝割烹 中むら〟 。今年3度目の訪問です。
いつもの目的は、〝鰹(カツオ)〟。勝浦の鰹は、日本一旨いと言われています。それは、小型ひき縄漁で一尾ずつ釣り上げられ、その日のうちに水揚げされる〝日戻りカツオ〟だからです。

ところが・・・。今回のテーマは、〝水貝〟と〝鯖サンド〟。
老舗名店の割烹・中むらにこんな〝我が儘リクエスト〟をお願い出来るのは、我らが〝モグたん〟しかいません。
ここは、本店の正面入り口。
でも、ここから入りません。
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玄関の右側ほ通ってお店の裏に・・・。
〝離れ〟の入り口があります。
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広々とした室内は、贅沢にもオープンキッチンでカウンター7席のみ。
ここで包丁を振るうのは、東京の料亭で修業された二代目若旦那。
若旦那の登場を緊張して待つ食いしん坊の7名。
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目の前には、既に本日の献立が書かれた紙が置かれています。
素晴らしい 至福のお料理がずらりと並んでます。
〝造り〟のところに〝鮑の水貝〟があります。
そして〝リクエスト〟とあるのが〝鯖サンド〟を確認してホッと。
前回4月に来た時、翌日の本店の昼コースで親方がポロリと漏らした〝裏メニュー〟。〝中むら参り〟は、夜の若旦那独り占めコースと翌日の若旦那のお父さんの昼コースでワンセットです。食いしん坊の我々が聞き逃す筈ありません。特に、今年になって鯖サンドの追っかけをしている〝華麗麺麭(カレーパン)〟は喜び勇んで参りました。
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ファースト・ドリンクは、お店が特別にご用意してくださった特別の食前酒。
青森八戸・八仙の〝試飲醸造酒〟です。限定1,000本しか生産しない貴重な発泡酒。シャンペンのようなテイスティングです。
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しかも、このウエルカム・ドリンクは、今回初参加の〝同行者・T〟さんの出身が八戸であることから、カウンターのセンターにポジショニングのためのファースト・ドリンクと言えます。同行者・Tさんは、昔のブログにしばしば登場した名前。今回急にピンチヒッターとして駆り出されました。
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〝先附〟は、涼しげなグラスに入った〝桃のスムージーとジュンサイ〟。桃は、広島産の白桃とピンク桃のブレンドです。この甘いスムージーと八仙の発泡酒がマリアージュします。
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そして、素敵な前菜からコースのスタートです。
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今回の〝我が儘コース〟のもう一つのイベントは、今回2回目の参加の〝ハイランド〟さん。江戸ソバリエで、本格素人蕎麦打ち名人です。
何と、中むらさんの厨房をお借りして蕎麦を打ってしまいました。
打ち分けたのは3種の蕎麦。細打ち、手挽きの粗挽き平打ち麺。そして変りそばは〝モルト切り〟。香り付けがウィスキーです。このモルト切りは、ハイランドさんの得意中の得意。そして我々の一番のリクエストです。
蕎麦は、埼玉三芳産の常陸秋そばの夏新。春の新蕎麦です。
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今回のメイン料理〝水貝〟です。
〝水貝〟というのは、〝鮑の料理法〟のひとつ。鮑の身をただ切ったように見えるかも知れませんが、伝統的な〝江戸料理〟です。
見事に大きな〝鮑〟がどか~んと現れました。
今年は、かなり入手が困難で、ようやく一週間前にこの立派なのが水揚げされました。
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若旦那は、手早く身を外し、身、ワタ、ヒモに分けます。
大きな生きのいい雄貝の身を若旦那は大量の塩で揉みこみます。忽ち、大きな石突きが石のようにカチカチに固くなります。北大路魯山人は、水貝は、関西にはない自慢の江戸前料理だと絶賛。その調理法についても詳しく記してます。それを目の前で実演。感動です。
鮑は、〝赤アワビ〟。黒アワビの方が値段が高いですが、刺身で食べるのなら身の柔らかな赤アワビの方が美味しいとされています。
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そして〝水貝〟。水の上に浮かんでいます。
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〝鮑肝醤油〟に付けて食べます。こりこりとした食感。美味しい。
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脂の乗った〝灰干し鯖〟。
今から、〝中むらの鯖サンド〟調理開始。
パンは、〝Pascoの超熟〟。我が家もお世話になってる敷島製パンの食パンの8枚切りの耳を切り落とします。軽くトーストして、マヨネーズに溜まり醤油を溶かした特製ペーストを塗ります。そして粒マスタードも・・・。
オニオンスライスと、大葉の微塵切りを乗せ、カッティングした灰干し鯖を乗せてパンでサンドイッチ。
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出来上がりはこうなりました。
手前は、サルサ・ロハ。トマトソースです。鯖サンドの味が引立ちます。
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滅茶苦茶美味しい鯖サンドでした。
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水貝の時より、ふた回り大きい鮑。元気が良すぎて貝から逃げ出そうとしています。
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これは、炊き込みご飯に・・・。
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この鮑の炊き込みご飯にぶっかけるのが〝鮑の肝とろろ〟。鮑の肝醤油を大和芋の擦りおろしに入れます。何という贅沢。
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あまりの美味しさに声も出ません。
〝中むら〟の鯖サンドは、最近の裏メニューですが、この店には、名物のパン料理があります。〝蟹パン〟。
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これではありません。
揚げパンに蟹味噌をまぶした蟹肉を挟んで食べる人気メニューです。今回も翌日の昼コースに出して頂きました。和食名店の鯖サンドと蟹パン。二種パン料理をご紹介しました。
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