ふく庵の天丼/門前仲町(どんぶりスコア18/20★★★★★)

 〝美味下町〟。dancyu5月号の特集に惹かれました。
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感覚的に下町=コスパの高い美味しいお店が集まる場所と思われます。英語に〝ダウンタウン〟というのがありますが、ダウンタウンは繁華街の意味です。〝下町〟は地形的な特性を意味し、東京の場合は武蔵野台地の〝山の手〟に対して海や川に近い低地を指します。

 日本橋、京橋、神田、下谷、浅草、本所、深川辺りが東京の下町でしょう。兎に角、そんな魅力的な下町にある人気店はどこなんだろう・・・。
 ある写真に釘付けになりました。〝門前仲町〟の〝ふく庵〟の〝えび・穴子天丼〟。その息を飲むほど美味しそうな盛り付け。そして衝撃的な低価格。何と750円です。しかも本格的な〝江戸前天ぷら〟。その本格的な江戸前の意味を落語評論家であり、著名な料理評論家の〝山本益弘〟さんが解説します。
 地下鉄東西線の〝門前仲町〟で下車し、〝富岡八幡宮〟の参道前を過ぎると杉田ビルの二階が目的地。入り口が小さいので思わず通り〝すぎた〟。

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お店は2階。3階はラーメン屋。開店11時45分ですが、開店前から長蛇の行列。3階のラーメン屋を浸食した為、急遽開店時刻前に入店となりました。

 〝ふく庵〟という名前は、蕎麦屋さんみたい。それもその筈、昨年6月にオープンした時、昼はうどん屋だったそうです。その美味しい天ぷらが近隣のサラリーマンやOLに口コミで広がり人気となりましたが、立地の悪さから夜はちっともお客さんが入りません。そんな42歳の店主〝中島昭彦〟さんに対して、修業先の親方が
せっかくウチで修業したのだから天ぷら一本にしぼったらどうなのか・・・。
親方の名前は〝早乙女哲哉〟さん。そうなんです。親方は、〝天ぷらの神さま〟と言われる〝みかわ是山居〟の早乙女さんです。
 750円の天丼がこちら。

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えびが5本と穴子が1本。野菜が2本。本日は、茄子とピーマンでした。

濃い色のタレがかかっていますが、甘さは控えめで辛味のある引き締まった味。天ぷらの味を引き立てます。

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 天らは衣が命でその衣がシルクのように上品だと山本さん。確かにその通りです。この質の高い職人仕事は、早乙女親方の厳しい教えをきちんとマスターした成果です。35歳で是山居の門を叩き、7年間修業された結果です。親方同様、寡黙に天ぷらを上げて行きます。

現在は、天丼はえびが高騰のためえびと穴子のミックスオンリーですが、以前はえび10本のえび丼650円や穴子2本の穴子丼850円もあったそうなので更に驚きです。尚、えび丼のアイディアは弟子思いの早乙女親方が出したそうです。

 この結果、〝ふく庵〟の天ぷらの知名度は一気に上がり、現在は予約が次第に難しくなっています。なにせ夜のコースは3500円。是山居に比べて嘘みたいに安い。(笑)
これは、近いうちに是非とも行かねば・・・。
帰りにご馳走さまでしたとお礼を申し上げたらニコッと笑う笑顔も親方ゆずりでした。